■ロードバイク 雑記・四方山

ディスクブレーキ・ロードのススメ(前編)

巷で話題のディスクブレーキを採用したロードバイク。通称「ディスク・ロード」

様々な意見や好みなど話題に事欠かないモノですが、当店としては積極的におススメしてゆきたいと思います

店主も春先からディスクロードバイクをヒッソリと試していていました。しかし良い所もあれば弱点もあるのが機材というもの。

そんな訳で改めてLa.sista的なDisk Road Bikeの疑問と回答(感想)をまとめてみました。先ずは「メリット」から。

〇 メリット
・天候に左右されず安定した制動力を得られる
・タイヤのGrip限界を掴み易い
・リムの設計を突き詰めることが期待できる
・油圧に於いてはブレーキパットの減りに対してレバーの引き代が変化しない
・油圧に於いては雨や泥の侵入によるレバータッチの変化がない
・レバー入力から制動力の立上りまでのタイムラグが少ない → リニアなレスポンス
・フレーム内蔵でもレバーの「引き= タッチ」に影響しない

 …思いつくままに綴ってみましたが、こんな感じです。

まず「ディスクブレーキ = 良く利く = ロードバイクにはオーバースペック(利きすぎる)」いう考えを持たないでほしいと思います。

Road Bikeに採用されているシステムはMTBとは異なり、ちゃんとRoad Bike向けに「デチューン=性能調整」がされています。

なのでDisk Roadをシェイクダウンした人の中にはトンデモナイ利き味を想像していたら、案外、普通で肩透かしを食らった人も多いかもしれません。

利かないBrakeを効かせるようにするのは難しいですが、利くブレーキを効かなく調整するのは比較的、簡単という事です。


じゃ、別にRIM Brakeでも良いじゃん。

と、なるかもしれませんが、餅は餅屋。RimはRimに求められる性能を、BrakeはBrakeの性能を突き詰める事が結果としてハイパフォーマンスに結びつく、と考えています。

余談ですが、

その昔MTBがまだRIM BrakeだったころXC向けの軽量Rimの各メーカーの平均重量は420g前後が実用的な所でした。
ですが、Disk Brakeの登場でシューで挟みこむクランプ圧力と、摩耗(シューでRimが削られること)から解放されたRimは形状も自由になり、今では390g台も珍しくはありません。

Road Bikeのハイパフォーマンスホイールと言えばやはりカーボンRimですが、今後はクランプ力、摩擦熱などから解放され、さらなる軽量化の可能性が広がるかもしれません。

次に路面状況を掴みやすい、という事。Rim Brake特にCarbon Rimの中には利きムラが発生するモノがあります。もちろんアルミRimでも摩耗状態によっては利きムラが出ます。

利きムラとは、一定のチカラでBrake Leverを握っていても、部分的に利き方が強まったり弱まったりすることです。

Rimの膨らみや凹み、表面の摩耗状態によって起こります。

Road Rideにおいて、下り坂のウェット路面、特に苔生しているようなシビアな路面状況においてBrake Leverを握って、タイヤがロックするか、しないか、の攻防をしている時に、この利きムラがあると、一瞬、ロックしたり、また制動が弱まったりします。

スピードの速い遅いは関係ありません。

ゆっくり の走行でもタイヤをロックさせないように走っている時はこの現象が足枷となります。

Disk Brakeは、ローターが大きく歪まなければ利きムラの少ない安定した制動力が得られ、結果ライダーは安心してLeverをコントロールできタイヤのグリップと対話しながら走れるのだと感じます。

そして昨今、見た目をスッキリさせる為に各メーカーが採用する「ワイヤー内蔵」

ハッキリ言って自転車屋的には嫌いです(毒)

なぜなら曲がりくねったケーブル類は抵抗を発生させ、シフトもブレーキもスムースな動作を邪魔してしまう事があるからです。

そんな中、油圧Disk Brakeに限って言えばどんなに複雑なラインでも内部抵抗に影響される事はありません。

さらに油圧Diskのパッドは、減ってくると、減った分だけキャリパーのピストンが飛び出して減った分を自動調整する特性があるため、例えば雨の中のRideでも途中でキャリパーのケーブル調整を行う必要はなくRideに集中できます(あとで述べますが保守管理の点に於いては注意点でもあります)

MTBの世界においてDisk Bakeが主流になって、およそ15年余り。

店主もその間、Disk Brakeの性能やメンテナンス上のメリットを感じ、もしRoad BikeにもDisk Brakeが搭載されたら乗りやすいだろうな、と夢見てきました。

そしてようやっと、紆余曲折を経て「フラットマウント規格」や「スルーアクスル」が一つの基本となり追い風となってDisk Road Bikeというジャンルが認知されようとしています。

… 次回 「Disk Roadのデメリット」に続く。

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