雑記・四方山

サイコーな自転車。良い自転車。キモチ良い自転車…満足ゆく一台とは何ぞや?

そろそろニューモデルの発表の季節となりました。乗り換えやフレームの交換などご検討の方も多いかと思います。既に「を!」と思うようなモデルもチラホラ見かけますが、そんな時だからこそ、ひと呼吸おいて考えてみましょう。

「サイコーな一台を手に入れるってどういう事だろう?」
「満足ゆく性能ってなんだろう?」

La.sista店主の時代回顧とともに書き綴ってみました。お暇な方はお付き合いいただけると幸いです。

その昔、店主が本格的にスポーツバイクに乗り始めたころ(80年代後半)最も贅沢なスポーツバイクは自分のカラダや乗り方に合わせて仕立てられた「オーダーメイドフレーム」を手にすることでした。

当時、フレームの素材はクロモリを主とするスチールが中心で太さや内部のバテットなど様々な工夫を凝らした素材があり、フレームビルダーさんは、そのパイプをどう使うか、によって乗り手の要望を叶えてくれました。

そんななか、時代はすこしずつ変化し、スチールにはない新たな魅力をもった新素材が多く登場し始めたのです。アルミ合金やチタニウム、そしてカーボンコンポジットはスチールフレームにはない、新たな魅力を放っていました。今までにはない軽さや剛性感、素材特性による振動の減衰の高さです。

自転車の性能の感じ方や心地良いとするポイントは人それぞれですが、La,sista店主は二通りの感じ方があると考えています。

・寸法的な心地良さ
・素材が生み出す心地良さ

…もう一つ「所有する悦び」もありますね。

振り返ればスチールという素材が主流だった頃はスポーツサイクルの贅沢といえば「寸法が生み出す心地良さ」が主であり、体格やペダリングを考慮した自分の手足の一部になるような一体感が魅力=満足度 でした。

しかし、時代は進みアルミ合金、チタニウム、そしてカーボンコンポジットなどの新素材が取り入れられるようになり「寸法による心地良さ」から「素材が生み出す心地良さ」が自転車の性能の中心で評価されてきたと感じます。あの頃は今ほど同カテゴリの素材の競争が激しくなかったので「それなり」に良い感じに思えていたのかもしれません

もちろん当時、カーボンやチタニウムのフルオーダーは存在しましたがマスプロメーカーが最新設備の工場から生み出す製品では価格と体感できる性能には残念ながら差があり、市場は「オーダーフレーム」から「素材」へと「満足の質」が変化して今に至ったと感じています。

現在、大手メーカーやブランドは毎年多くのアイデアを生み出し、新たな流れを作り、今まで経験した事のない体験をさせてくれます。

ひと昔前では、「満足を得るための選択肢」や「体験できる性能や機能」は限られていましたが、今やその選択肢は本当に増えたことは喜ばしい限りです。

…つづく。