目を覚ました巨人(ジャイアンツではない) SHIMANO XTRのワイヤレスコンポーネントのお話です。
6月19日、三重県桑名にある「GONZO PARK」で開催された展示試乗会にお招き頂き、試乗する機会を頂きました。
1991年にMTBレーシングコンポとして登場したXTR(M900系)はDeore XTの上位機種「XT-R」ではなく「XTR」とする事で今までのMTBコンポーネントとは異なるアプローチで設計された事を伺い知る事ができます。
「レースに勝つならXTRを使うべき」と言われたXTRもここ数年はSRAMの後塵を拝していましたが、ようやく8年ぶりのフルモデルチェンジとなりました。
細かいs機能やスペックなども、多くの自転車メディアにて紹介されていますのでココでは省略します。
ココでは「SRAM Love!」なLa.sista店主が少しだけ「疑いの目=ホントにSRAMを超えた?」という点を軸にお伝えしたいと思います。
■変速の感触
SRAM XX1 EAGLE AXS Transmisson と比較すれば大きな差は感じません。
SRAMは、どちらかと言えば「カッチリ感」のあるシフトフィーリングなのに対してSHIMANOは「滑らか」な印象です。古くからMTBを嗜んでいるライダーには「IGチェーン =Interactive Glide」を思い出すような感触で通じるかもしれません。
スタートダッシュを想定した「フルもがき」でのシフトアップはSHIMANOの滑らかさもチェーンがスプロケットを捉えるタイミングには差を感じませんが「入った」感触が有るのはSRAMかもしれません。
ちなみに、SRAM初代AXSとAXS Transmissionでは大きく進化しています。初代AXSのトルクを掛けている時に変速した場合(本当は良くありませんが)の「ゴリっ」という感触はかなり抑えられています。
初代SRAM EAGLE ASXを使っているライダーからすると、新しいXTR/XTは操作した瞬間の違いは明らかでしょう。
■シフターのこと
La.sistaでは、今まで何故SRAMをお勧めしていたのか。
それはシフトレバー/ボタン操作が軽い事に尽きます。M9000/M8000系になってから、メカニカルシフトのレバーの初期が重いのがどうしても好きになれませんでした。M9050系のDi2になった際もシフトボタンの重さは変わらす、、、
それに対しSRAMはメカニカルシフトも含めて、操作が軽くストレスを感じる事は殆どありませんでした。
実は今回のモデルチェンジで最も気になったのは、このレバー/ボタンタッチの軽さでした。
そしてその期待は裏切られる事なく、SRAMよりもストローク感はあるものの、ライトタッチで操作し易く進化している事に安堵しました。
ボタンの配列については、SRAMとは異なるゆえ、ミスシフトや「一瞬の悩み」が有りましたが、まぁコレは慣れるでしょう。
SHIMANOはライダーの好みに応じてI-SPEC EVの基本セットに加えて個々のボタンもウニウニと微調整が可能です。
これは、手の小さいライダーにとってはよりセットアップの幅が広がる可能性があります。
■ブレーキのこと
より粘性の低いミネラルオイルになった事で低温時の動作を改善しています(ちなみにこの日は炎天下)今回、完全ワイヤレス化した事に加えて、このブレーキのアップデートも大きなTopicとしていました。
M9220系のオールマウンテン/エンデューロ系と ムダを一切排除したXCO専用といえるM9200系。
レバーピボットの位置やサーボウェーブの設計変更などにより、剛性感、制動力などが進化しているとの事。
んーーー
正直、今回のRideではそのブレーキ性能の良し悪しは正直なところ、判りませんでした。
試乗コースはパンプトラックが中心で重心移動でバイクを進めるコースで、ブレーキコントロールや制動力に差がでるセクションが少なく、、、故に、そのコースでブレーキ性能を語るのも中々難しく、、、

「都市部をPORSCHEで走ってPORSCHEのブレーキを語るようなモノ」
である、と。
関東圏では富士見パノラマ、しかもウェットでの試乗にはサイコーのコンディションだったと聞きました。もしかしたら富士見で試乗した方々は新しいSHIMANOのブレーキシステムの良さをシッカリと認識されているかもしれません。
サーボウェーブ式のレバーに余り良い印象を持っていないLa.sista店主としては今後気になるPointではあります。
■価格や重量
気になる価格は、おおよそ以下になります。
■SHIMANO XTR M9200系
ST/RD/BT/CH/FC/CR/CS/CN の基本8点セット ¥289,147(Inc tax)※La.sista調べ
■SRAM XX1 EAGLE AXS Transmisson
ST/RD/BT/CH/FC+CR/CS/CN の基本8点セット ¥354,100(Inc tax) ※Manys Parts Kit
SRAMはチェンリングが問答無用の34Tが付属となり、国内一般ライダーに合わせた32T/30Tは別途購入する必要があります。
重量差については、まだ各パーツの重量を計算していませんが、恐らくXTR M9200系はSRAMよりも数十グラムは軽くなっていると思います。SRAMのUDH形式のRDよりもSHIMANOの従来式のRDのほうが軽くなっているという点からです。
さて。SHIMANO vs SRAM
どちがら優れて、どちらを選ぶのが良いか。という処に世界中のMTBライダーはアタマを抱えていると思います。店主としては、「どちらのメーカー・システムにもメリットとデメリットが存在する」としか言えません。
なんだよ、無責任じゃないか。
と、思われてしまうかもしれませんが、店主すら悩んでいる位なので。
ただ、SHIMANOもSRAMも今後、ユーザーや我々販売店に対して、どのようなBenefitを与えてくれるか、それに向き合ってくれるか、という事が重要になってくるでしょう。
またライダーが何を、どんな性能を優先するか、という部分も忘れてはなりません。メカはSHIMANOも良いけれど、Brakeは〇〇社じゃなければダメだ!という事もあるでしょう。
また、メカとしてはSRAMが好みだけれど、操作やフィット感はSHIMANOが良いかも。
そんな考えもあるでしょう。
故に、我々のような販売店は過去の経験と引き出しを総動員して、限られた時間の中で製品に触れて試して、比較を行い、様々なお客様へのご提案プランを考えて行きます。
XTRのレーシングコンポーネントだけではなく、今やDEOREにも搭載されるDi2 Wireless.その必要性や選択の方法は、いつでもご相談をお待ちしております。
単に新しい製品を「売る」事ではなく、必要であれば「買って頂く」事大切にしています。

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