■マウンテンバイク メカニック・メンテナンス 雑記・四方山

見た目はOKでも確実に劣化しています。 Tireのお話。

約1.5年ほど使ったTireと新品のコンパウンドの硬度の比較です。

おおよそ「10度前後」の差があります。

当然、新しいほうが硬度は低く柔らかい事になります。

(計測にあたり、空気圧は1.5気圧、計測場所も同じ位置のブロックで行いました)

柔らかければ、その分路面の凹凸に合わせてゴムが変形し、グリップ力も向上します。

タイヤが硬くなる要因は、紫外線やゴム分子の繰り返し荷重による劣化、摩耗によりタイヤの厚み(ブロックの摩耗)によるもの、と考えます。

実は店主、とあるMTBコースにおいての出来事。

久々のMTB Trainingでいつものロックセクションで突然のスリップダウン。まぁ久々だし仕方ないか、と思いLapを重ねるものの、どうもしっくりこない。

その日はヘタになったのか、ビビリやなぁ…と自己嫌悪のまま終了。

そしてその次のRideも同様。ラインもBikeのセットアップも同じ。路面も決して湿っている訳でもないのに、同様にスリップダウンさせてしまい、攻めきれない悪循環。

2回連続でこうなると、もはや自信喪失。

そんな中、「Training機材」であるラジコンバギーを見てふと思いだしたのは、Tireの硬さ。その昔、Touring Carでサーキットに通っていた頃、常にTireの硬さと「鮮度」を気にしていたな、と。

そう、今まで使っていたMTB Tireは使い始めてから3年目のモノだった事を思い出し、そりゃぁコンパウンドも劣化していれば特にロックセクションでは挙動不審になるのも無理は無いな、と。

MTBはRoadと異なり、様々な路面に合わせるために複数のTireを都度交換しながら使うのが一般的で、Seasonによってはどうしても出番の少ないTireも出てきてしまい、ブロックの摩耗よりも環境劣化が進んでしまう事があります。

そこで々同じ銘柄のTireに組み替えたところ、今までの不安は何だったんだ!と思う程、路面を掴んでいる感覚が伝わり安心して「攻め」られるようになりました。

MTBタイヤの寿命やパフォーマンスは外観によるブロックパターンが判断基準になるのが一般的ですが、RaceやRideの質を高めるには、ゴムの本質的な性能であるコンパウンドの硬さにも気を配ってあげる必要があります。

そんな訳でLa.sistaではTireの健康状態を見極めるために「硬度計 Duro Meter」を暫し使います。一応、ゴムの測定はJIS規格により様々な測定条件が定められています。この測定はJIS基準の測定ではないので「厳密な精度」を持つものではありませんが「おおよその」劣化状態を診るには十分だと思っています。手で触った感じや見た目での判断よりは数値化できるほうが良いと思います。

ブロックやノブがまだ残っているTireを交換するのは、なんとなく勿体ない気もしますが、例えば「狙っている」Raceや難易度の高いコースやセクションを攻略しよう、と思うのであれば、迷いなく新品Tireを使うべき、と断言します。

MTBもレースシーズン突入直前!となりましたが、今一度、お手持ちのTireの健康状態をご確認下さい。

もちろんご来店の方はTireの硬さを含め健康状態をチェックいたします。


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